距離

日本は狭いと言うけど

私にはその距離でさえも

手を伸ばしても届かなかったあの時と

シンクロする

貴方が私の住む街で歌うと知った時

私は会いに行くのだろうか

 

色々な『距離』に疲れてしまった私は

 

元気で今も歌ってることを嬉しく懐かしんで

夕食のお出汁を丁寧に取り続けるのをきっと

やめないのだろう

 

ひとりでいるのだろうか

誰かといるのだろうか

 

それでも私は

あの人を思う時だけは、ひとりきりの部屋で

静かに自分の気持ちに折り合いをつけて

初めて出逢ったあの日 真っ直ぐに見たあの声を

眠る前に思い出すのだろう