JAZZ喫茶 青猫
外の喧騒を遮断する。
古いビルの階段を降りていくと、その空間はある。
中が見えることがないドアを重々しく開ける。
その刹那、流れるJAZZが耳に心地よいと、ちょっとイイコトがプラスになって
ふふって口角を右だけあげて笑うくせに、困ったように眉間にシワを寄せた。
蓄積された癖が、くっきりと刻まれてしまっても気にしないでおこう。
私は珈琲を注文する。
美味しくないはずがない。
雰囲気が、何滴かプラスされていようとも、好きな濃い目の豆じゃないけども
気持ちの波がやがてさざ波となり、緩く静かに落ち着いていけば
そこは非日常。
先日まて雪が積もった日があった。
昨日もピキッと冷たい風が吹いていた。
今日は、テレビで『お出かけ日和です』と伝える。
めっきり乗らなくなったクルマを出したので
名古屋を西から東に突っ切る。
おひとりさまに慣れたいわけではないけど
おひとりさまが心地よすぎて
少しだけこれではいけないと思っていた。
少しだけね。
だけどやっぱり、私は今日もおひとりさまを選んでいる。
たまには誰かと群れてみようか。
ここに来ると、そんなことは容易く飛ぶ。
おひとりさまの聖地。
JAZZ喫茶 青猫