無我

ぶつかり合う時も来るさ 綺麗な事ばかりじゃないだろうから
全てを君と越えていくと決めた
始まりの鐘が今 この街に響き渡る


共に歩き 共に探し 共に笑い 共に誓い
共に感じ 共に選び 共に泣き 共に背負い
共に抱き 共に迷い 共に築き 共に願い
そんな日々を描きながら…


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永遠なんてないと思う。
簡単に壊れてしまうガラスのようなもの。
恋愛は簡単に終わってしまうものだし
恋愛は簡単に終わらせてしまっていた。


最初の燃え上がるような思いや、切ない思いも
馴れ合うと、それが相手がいて当たり前になった時に



少なくとも私は危なっかしい気持ちが渦巻く。
それがなんなのかわからない。


不安?


不安なのだろう。



守る?
何を?
私を?

そんな可愛いげのない女になって
強くひとりで生きていく術を知り得た女は

いとも簡単に、ひとりでもきっと大丈夫そうな男の腕をするりと抜けようとする。

日々の小さい不安が、そればっかになって
楽な方に帰っていこうとする。



そう、帰る場所があるから


『今、自分の部屋に着いたら、きっと同じ気持ちで戻る事はないだろう』

今度行く時は荷物を取りに行くだけの
最悪の結果を自分で決めて、揺るがないだろう。



それを受け止めるだろう人が眠る場所に戻る。


わかっているのは
『自分自身の自信のなさ』



まどろむ空気と緩やかな時間の流れ。
望むのはそれだけ。
穏やかに過ごしたい。



消えたモノを思い出し、潰れそうになる。
眠りを誘う薬を持ち合わせていない今日。
また眠れない長い夜になりそうだ。