2016-02-29から1日間の記事一覧

2009.08

梅雨が思いのほか長引き、夜空を見上げることも忘れていた。 週も半ばを過ぎ、少し疲れた帰り道だった。 漆黒とも違う。 群青とも違う。 例えば今がお昼だったら、真っ青な空に真っ白な雲だったんだろう。 夜空にぽっかり浮かぶ雲が真っ白で 月が悪戯な雲に…

ふゆにおもうこと

つらい事や嫌な事は、忘れようとして忘れられた事はない。 時間をかけて少しずつ波が落ち着いて でもふとした出来事だったり場所だったり香りだったり そんな小さな日常で、また思い出して悲しくなったり。 またいろんな出来事があって、過去になって。 昨日…

SAMURAI

こらえきれずに泣き叫んだら 静かに 覚悟が宿った 流されず我が道を行く 自分が自分であるために 私はわたしのために生きている 自分で決めたことは後悔しない 例えばそれが失敗だとしても自分で決めたら後悔はしない 人のせいにしたり縛られるのは わたしら…

コトコトコトコトと  2009.01月

石油ストーブの上で、コトコトコトコトと鍋の中で煮物が出来上がってくる。 冬の間だけのその風景は、私が小さい頃に見た懐かしい実家のそれと同じ。 祖母に習った煮物は、まるで味が追いつかないけれど 私の料理の中には確かに祖母の味は生きてる。 今夜は…

ふっと息が抜けた時に見える 夜の闇の前の、日の終わりが見せる深紅とも薄桃とも言えないけど ずっと遠い時間から見ている空の色彩 気が早い木々が赤く色づき、葉を落とし始めた頃に、黄金に変化した王道イチョウの木 透明に澄んだ水だから、海の青は空を映…

断温

秋空を見上げたとて 何ひとつ変わらず幾年照らし続ける光は 全ての目に平等ではなく… それを見失ったり 目を反らした時に 残酷過ぎるほど それは瞬間に消えてしまうだろう むやみに孤独を唱えるな 先に行けば 後ろに目を反らす それがどんなに後の存在に 残…

般若

ひとりひとり、それぞれが、いろんな思いを持っていて ひとりひとり、それぞれが、いろんな考えを持っていて ひとりひとり、それぞれが、みんなみんな違っていて だから、人と人って交わる部分さえなければ なんて楽なんだろうって 思ったり思わなかったり。…

子育ての頃

コトコトとお鍋がリズムをとる。 真っ白い大根が、次第に透明になり それが今日の一日の終わりの時間を彩る。 外はすっかりと冬の寒さになり 着ている服が薄手である事に後悔した身体がじわりと暖かい。 今日は夕ご飯を食べるとも要らないとも聞いていない子…

使い捨て

時間を重ねて、やっと分かる事があった 失敗を重ねて、やっと見えてくるものもあった それはきっとこれからも、まだ知らない何かがあり それが何なのか楽しみでもある 言葉を無くす怖さがある 伝わらない怖さと伝えようとしなくなる自分 言葉を飲み込む切な…

無我

ぶつかり合う時も来るさ 綺麗な事ばかりじゃないだろうから 全てを君と越えていくと決めた 始まりの鐘が今 この街に響き渡る 共に歩き 共に探し 共に笑い 共に誓い 共に感じ 共に選び 共に泣き 共に背負い 共に抱き 共に迷い 共に築き 共に願い そんな日々を…

最愛の子供達

春に咲いていたはずの桜が葉っぱだけになったら その後に彩っていたはずのハナミズキが葉っぱだけになったら その木がどんな名前だったのか 思いも出さない日常の景色を流し 同じ道を毎日車で走らせている 解体されている家が更地になり、また新しい家に変わ…

終わって始まったあの日を思う

私なりの『波瀾万丈』な時間が過ぎた後 望んだ事は『穏やかに過ごしたい』 去年が過ぎ、今年になった瞬間のひとりの時間 私は大きな大きな伸びをした 終わった 正解にはまだ問題は抱えたままだったが 私の中で区切りをつけた瞬間だった 切り替え上手ではない…

リアル姉

その日は雨が降っていました。 あなたの思いが伝わってくるかのように。 あなたの気持ちが暗い夜の空をつたって 雨となって私のところまで届きました。 ワイパーでぬぐってもぬぐっても またポトポトと 落ちては流れる雨粒も 前を走りゆくバンから巻き上がる…

その先へ

自分でも怖いくらいに先が見える瞬間がある。 利己的なその瞬間はふっと頭をよぎるくらいのものだけど 深く頭に刻まれる。 何事もなかったように過ぎ去っていくのだけど ココロは置いてきぼりになる感覚。 なんだか、悲しいくらいに今の自分に当てはめられる…

母になる

ひらりひらり 流れに任せる強さがあれば 幾度にもカタチを変えられる 水のように雨になる霧になる雪になる 静かに深呼吸しながらじっと時を待つ そして春解け水になって全てを許容できる器で 自身を受け止められますように 愛する我が子の旅立ちに 私はもっ…

花咲乱

花咲乱 咲き乱れるそれは情念我鎮めよ どうかどうか悲苦辛涙 今訣別の時を逃さないように それは儚くそれは切なく 時間を友とし時間を師とし この刹那宇宙の藻屑となれ 我 心の中心にあるそれは 曼珠沙華の色に似たひとつだけの想い 今、春は待たない