強い気持ち。
何をもって、大切なものを決めるのか。
形あるものはいつか壊れることを知ったのはいつだろう。
だから
執着しないことが、どれだけ心穏やかになれるのか、そんなことはとうの昔に身につけているつもりでいた。
それでも自分の中の、自分では見えない愛しい何かがこんなにも緩やかに、でも凪のようにゆるりゆるりと揺れていく。
目の前にある珈琲も、それを入れるお気に入りのカップも、自分も自分以外も。
『ずっと』なんかないのだから。
ならぬものはなりません。
遠い地会津で、しっかりと目に刻み飲み込んで帰ってきた言葉が、今はこんなにも痛い。
欲しいものは、揺らがない気持ち。
両手をうんっと広げて、空にかざしたら
きっと涙もこぼれないから。
今がいい。
今のままで。
それは強い強いキモチ。
揺らがない強いキモチ。