母親の死

美しいその人は
幾度諦めた事だろう。
幾度乗り越えたのだろう。


不安、痛み、絶望、その深い悲しみは
心がギシギシと痛むのだと
どうして経験しなければ
いけなかったのだろう。
息をやめた今
全てが消え去ったのか。


誰にもわからない事であれど
母親だから思いを遺す事に
誰が咎められるのだろう。
心が今もまだあるのならば
ずっと2つの命を
抱きしめているのだろう。
離さないでと願う。
安らかな眠りより抱擁をと。