愛しい

春に咲いていたはずの桜が葉っぱだけになったら
その後に彩っていたはずのハナミズキが葉っぱだけになったら
その木がどんな名前だったのか
思いも出さない日常の景色を流し
同じ道を毎日車で走らせている
解体されている家が更地になり、また新しい家に変わったら
古いそれは思いも出せない街の風景になって
時間は確実に過ぎて過ぎて…

いつまでもその場所に立ち止まるのは
まるで罪悪のように感じるけど
ゆっくりゆっくり歩き出せる日が来る事は知っている
そう思えるのは、今までの時間が過ぎた出来事が
全て糧になっているから


前を向くのはしんどいね
何かが変わるのは怖いね


受け入れる事
目を背けない事
一歩踏み出す必要性と必然性

 


だけど
どうしても心が痛い事は浄化できずにいる


大切に大切に大切に大切に大切に
思っています、美波の事

1番に考えたいと思っています、あなた達の事
至らない親の事で、たくさんの涙を流したね
ごめんなさい
硝子のように繊細な心の持ち主だって分かっています
何度も『パリン』と割れたね
その度に泣きながら自分で直していたんでしょう?
もう傷つかないで
いつもそう願っているんだけど


昨日もふいに溢れ出た涙に
貴女の内の内の深い悲しみを見た


幸せになって欲しいんです
ただそれだけ

 

なんだってする