時一瞬

つい何日か前に桜SAKURAと浮かれていた世間。
散ってしまえば、それは街の景色に薄れてしまって
それが桜の木だという事さえ薄れてしまうのも近い。
桜は散り際の吹雪がいい。
ひと吹きの風に、ふわぁーっと身を任せるような
最後にアスファルトという人工物の上で踊り
そして果てる。

人は桜を見て何を思う?
引き付けてやまないそのピンクに何を思う?

 

大切なのは、忘れさることではない。
過ぎたことを思い出す時に懐かしさを覚えること。

思い出しては胸が苦しくなったり切なくなったりしんどくなったりする事や
思い出したくないことって、たくさんたくさんある。
封印してしまう事もたくさんたくさんある。

そうでなきゃ毎日しんどい思いしなくちゃいけない。
真っ平ごめんだ。


いつか何かの拍子に、ふっと思い出した時に
懐かしく思ったら、確かにそれは時間が経ち
自分が少し大きくなったことじゃないかな。

過去を振り返らず前を向く。
確かに強い。
でも私は強くないから、過去を振り返る時に
にっこり笑える今でありたい。